Notion AI は、かつてのような月額10ドルのアドオンではなくなりました。現在は Notion の Business プランと Enterprise プランに含まれています。
ただし、席の料金を払えばそれで終わりではありません。エージェントを動かした瞬間から、支払い済みの席料金とは別に、従量課金のクレジットが減っていきます。
ChatGPT の料金はこれと逆の形をしています。席ごとに定額を支払い、上限は料金ページに明記されています。
選択を分けるのは性能の差ではなく、この料金の「形」の違いです。
先に結論
Notion AI が向くのは、作業の対象がワークスペースの中にある場合です。自社のページから答えを探す、議事録をデータベースに書き込む、チームの蓄積に対してエージェントを走らせる、といった用途が該当します。
ChatGPT が向くのは、白紙からの執筆、調査、コード、発想の整理です。
両方を契約するチームは珍しくありません。選びきれなかったという意味ではなく、担当する仕事が重なっていないというだけのことです。
Notion AI とは:2026年時点でできること
Notion が Notion AI として提供している機能は、大きく7つに分かれます。
- Notion エージェント
- カスタムエージェント
- AI ミーティングノート
- エンタープライズサーチ
- リサーチモード
- AI ブロック
- データベースの自動入力
2026年に入ってからの更新頻度は、Notion の基準に照らしても高い水準にあります。カスタムエージェントは2月に正式提供へ移行しました。
7月1日には外部エージェントが加わり、Claude や Cursor をチームメンバーのようにメンションして Notion の中から動かせるようになっています。
9月15日の Notion 3.7 では「スキル」が追加されました。自分たちのチームの進め方を AI に覚えさせておく、再利用可能な指示のことです。
書き出した SKILL.md ファイルは、Claude Code・Codex・Cursor・Gemini・Grok へそのまま渡せます。
よくある誤解:Notion AI は GPT のラッパーではありません
Notion AI について最も繰り返し語られている誤解なので、はっきり書いておきます。
Notion は特定のベンダーに依存しない設計になっています。モデル選択画面には2026年を通して OpenAI・Anthropic・Google・xAI・Zhipu・Moonshot のモデルが並んできました。
9月のリリース時点で選べるのは Opus 5・GPT-5.6 Sol・Kimi K3 などです。
公式の製品ページでも、文脈を失わずにワークフローごとモデルやプロバイダーを切り替えられると説明されています。
9月10日以降は、どのモデルをエージェントに使わせるかをワークスペースのオーナーと管理者が決める仕組みになりました。Notion エージェントについては、プレミアムモデルが既定で無効になっています。
Notion AI の料金:ひとつの数字では表せない理由
ここが最もつまずきやすい部分です。Notion AI の費用は、性質の異なる3つの層でできています。
- 席の料金。Notion AI が本格的に使えるのは Business プランと Enterprise プラン です。Business は年払いで 1メンバーあたり月額20ドル。フリープランとプラスプランには体験用の応答が少数含まれるだけで、プランを変えずに追加購入することはできません。
- **含まれる利用枠。**Business と Enterprise には、Notion エージェント・画像生成・ページ翻訳に使える利用枠が含まれます。枠は6時間単位と月の請求サイクル単位でリセットされます。ただし Notion はこの枠の具体的な数値を公開していません。確認できるのは設定画面の「Notion AI」から「使用状況」を開いたときだけです。
- **クレジット。**利用枠を超えた分は Notion クレジットで支払います。月払いプランは1,000クレジットあたり10ドル、年払いプランは1,000クレジットあたり13ドル。繰り越しはできず、購入できるのは Business と Enterprise だけです。
クレジットを消費するのは、カスタムエージェント・Workers・プレミアムモデルの3つです。カスタムエージェントは2026年5月3日まで無料で、5月4日から課金対象になりました。
Workers は2026年10月14日まで無料で、10月15日から 1回あたり約0.0023ドル の課金が始まります。1,000クレジットでおよそ4,348回に相当します。
Notion が公開している唯一の数字
Notion はプロバイダーのトークン単価に上乗せをしていません。プレミアムモデルを使った場合、支払う額はモデル提供元の価格そのものです。
事前に読めないのは、エージェントを1回動かしたときに利用枠をどれだけ消費するかのほうです。利用枠の総量自体が公開されていないためです。
実例1:5人チームの Business プランは月いくらになるか
数字を当てはめてみます。企画部門の5人が年払いの Business プランを使う場合、席の料金は 20ドル × 5人 = 月額100ドル です。
この5人が毎月カスタムエージェントを動かし、利用枠を超えて1,000クレジットを1口購入したとします。年払いプランのクレジットは1,000あたり13ドルなので、請求は 月額113ドル になります。
上乗せは13ドルで済むように見えますが、1,000クレジットで足りるかどうかは事前に計算できません。含まれる利用枠が公開されておらず、超過が始まる地点が分からないためです。
最初の1か月は、使用状況の画面を見ながら運用することをおすすめします。
実例2:Workers を常時動かすとクレジットはどう減るか
たとえば、案件管理データベースを定期的に巡回し、期限を過ぎた行に印を付ける Workers を1本置いたとします。
Workers は2026年10月15日から1回あたり約0.0023ドルで課金されます。実行頻度から逆算すると次のようになります。
- **1時間おきに30日間:**720回。約1.66ドル、およそ166クレジット。
- **15分おきに30日間:**2,880回。約6.62ドル、およそ662クレジット。
- **5分おきに30日間:**8,640回。約19.87ドル、およそ1,987クレジット。1,000クレジットの1口では足りません。
頻度を4倍にすると費用も4倍になります。定額の席料金とは費用の増え方がまったく違うという点が、この計算の要点です。
Notion の金額を円で書いていない理由
本記事の Notion の金額はすべて米ドルです。2026年9月19日時点で Notion の料金ページを確認したところ、円建ての価格は掲載されていませんでした。
公式に円で提示されていない金額を為替レートから逆算して載せることはしません。実際の請求額は決済時点のレートに左右されるため、換算値を書くとかえって判断を誤らせます。
ChatGPT の料金:日本のストアフロント
ChatGPT には日本円の正規価格があります。以下は OpenAI の日本向け料金ページに表示されている金額です。
| プラン | 月額 | 使えるモデル |
|---|---|---|
| Free | ¥0 | GPT-5.6 Luna、GPT-5 Thinking Mini |
| Go | ¥1,400 | Free と同じモデル、上限が緩和 |
| Plus | ¥3,000 | GPT-6 Astra、GPT-5.6 Sol、Terra、レガシーモデル |
| Pro | ¥16,800から | GPT-5.6 Sol Pro を追加、利用量5倍 |
個人向けプランを検討する前に押さえておきたい点が2つあります。
1つ目は、スケジュール実行が Free プランでは使えないことです。
2つ目のほうが重要です。ワークスペースエージェントと社内ナレッジ参照は、Pro を含むすべての個人向けプランで無効 になっています。
月額1万円台を払えば手に入ると思われがちな機能ですが、実際には Business プラン以上の領域です。
なお ChatGPT Business は2名から200名のチーム向けで、Enterprise とあわせてクレジットを追加購入できます。この2つの日本円価格は今回確認できていないため、本記事では金額を記載していません。
コンテキストウィンドウの差はプラン間の価格差より大きく開いています。即時応答では Free が27K、Go と Plus が54K、Pro が128K。推論では Go と Plus が256K、Pro が400K です。
比較表:判断を分ける8つの観点
| Notion AI | ChatGPT | |
|---|---|---|
| 作業する場所 | ワークスペースのページとデータベースの中 | チャット画面、または接続したアプリ |
| 自社のコンテンツを把握しているか | 把握している。出典つきで回答 | 接続または貼り付けたものだけ |
| 構造化されたレコードへの書き込み | できる。Notion データベースへ | MCP を自分で組まない限りできない |
| 費用の形 | 席料金+従量課金のクレジット | 席ごとの定額 |
| 有料の入口 | 年払い1メンバー20ドル、Business のみ | 月額¥1,400 |
| 翌月の請求額が読めるか | 使用状況を見ていないと読めない | 読める |
| モデルの選択肢 | 6社のモデル、管理者が統制 | OpenAI のモデルのみ |
| 白紙からの執筆・調査 | 実用水準 | 明確に優れる |
通貨が異なるため、20ドルと¥3,000 を並べて安い高いを論じることはできません。比べるべきなのは金額そのものではなく、Notion AI はインフラとして課金され、ChatGPT は席として課金される という構造のほうです。
使い方の波が大きく予測しにくいチームほど、この差は表のどの機能よりも効いてきます。
実例で見る使い分け
仕様の比較だけでは判断が付きにくい部分があります。実際に社内で起きる場面を3つ取り上げて、どちらに振るのが自然かを見ていきます。
実例3:会議の議事録を残す
Notion AI の側です。AI ミーティングノートが音声を文字起こしし、要約と決定事項、そして「誰が何をいつまでに」をそのまま Notion のページに書き出します。
書き出し先がデータベースであれば、担当者プロパティや期限プロパティに値が入った状態で行が増えていきます。
会議のあとに議事録を清書して回覧する手間が減り、後からプロジェクト単位でも担当者単位でも絞り込めるようになります。
具体的な設定手順はNotion 議事録の作り方にまとめています。
実例4:企画書のたたき台をゼロから作る
ChatGPT の側です。手元に材料がなく、切り口そのものを探している段階では、ワークスペースを参照できる強みが働きません。
構成案を10通り出させて選び、気に入った1本を深掘りする。この往復の速さでは ChatGPT が上回ります。
できあがった原稿を Notion に貼り付け、稟議に回す段階から先の管理を Notion に任せる。これが現実的な分担です。
実例5:「あの件、去年どう決めたか」を調べる
過去の稟議や議事録をたどって、決まった経緯を確認する場面です。
Notion AI の側で、しかも他に代わりがありません。エンタープライズサーチとリサーチモードは、社内のページ・データベース・接続済みアプリを横断して回答し、出典として元のページを示します。
同じ質問を ChatGPT にしても、社内の記録を渡していない限り答えようがありません。
Notion をチームの記録置き場としてどこまで信頼できるかは、Notion はメモアプリとして優秀かで扱っています。AI では埋められない部分にも触れています。
両方を併用できるか
できます。配管は以前よりよくなっており、ただし1か所だけ閉じた扉があります。
ChatGPT には Notion アプリがあり、接続したアカウントが閲覧できる Notion ページを読み取って検索できます。
注意点が1つあります。ChatGPT のアプリディレクトリにある Notion アプリは 新規接続での同期に対応しなくなりました。既存の接続はそのまま動きます。
双方向の読み書きが必要な場合の経路は、現在は Notion の MCP サーバーです。こちらは Claude や Cursor からも利用できます。
逆方向では、Notion AI コネクターが外部サービスから文脈を取り込み、出典を示しながら回答します。
対応先は Slack・Teams・Google ドライブ・SharePoint・Jira・GitHub・Linear・Gmail・Outlook・Google カレンダーです。
ただしサードパーティのコネクターには Business または Enterprise が必要です。
どちらにもできないこと
コネクターの対応リストをもう一度見ると、その目的が分かります。Notion AI が Gmail・Outlook・Google カレンダーを読むのは、質問に答えて出典を示すためです。
Notion の公式ドキュメントに、コネクターがデータベースへ書き込むという記述はありません。
つまりどちらの構成でも、会議・タスク・メール・連絡先は Notion の外にある「検索できる文脈」のままです。
次のような操作ができる行にはなりません。
- ビューで絞り込む
- ロールアップで集計する
- プロジェクトにリレーションで紐付ける
- Notion 側から編集して、相手側に反映する
そこは役割が違う領域で、2sync が引き受けているのがその部分です。2sync は Notion と、日々の業務で実際に使っているアプリとを、項目単位で双方向に同期します。
対象は Google カレンダー・Todoist・Google ToDo リスト・Outlook カレンダー・Outlook メール・Outlook 連絡先・Gmail・Google コンタクトです。
実際にどう設定されているかも書いておきます。アクティブなユーザーのうち 78.9% が双方向のみ で運用しており、現在 202か国で127,000件を超えるアカウントにご利用いただいています。
両側から編集できる状態にすると、多くの方が両側から書き込めるほうを選ばれます。
プランの下限にも差があります。Notion のコネクターは、1メンバーあたり月額20ドルの Business プラン以上でなければ届きません。
2sync の Solo プランは年払いで月額7ドルから。Notion 側のプランは問いません。
具体的な組み方は、Notion と Google カレンダーの連携方法とNotion 連携おすすめガイドで扱っています。
連絡先を軸にした運用であれば、Notion CRM の作り方が出発点になります。
カレンダーとタスクを、参照されるだけの情報で終わらせない
Notion と Google カレンダー・Todoist・Outlook・Gmail などを双方向で同期します。Notion のフリープランでもご利用いただけます。
どちらに課金すべきか
- **チームの知識が Notion に蓄積されている場合。**Notion AI、Business プランです。最初の1か月はクレジットの減り方を見てから費用を評価してください。
- **考える相棒と下書きの相手がほしい場合。**ChatGPT Plus、月額¥3,000 です。白紙からの作業で Notion AI が代わりになる場面はほとんどありません。
- **Notion のフリープランまたはプラスプランを使っている場合。**当面は ChatGPT です。Notion AI の実用的な機能は Business プランの向こう側にあり、買い足して届く仕組みになっていません。
- **自社の記録に対して無人で定期実行したい場合。**どちらでもできます。Notion は実行回数で課金し、OpenAI はスケジュール実行を席料金に含めています。
- **カレンダーやタスクを、引用される文脈ではなく編集できる行として Notion に置きたい場合。**どちらでもできません。これは AI の問題ではなく同期の問題です。
時期の話をひとつ。Notion Mail は2026年9月22日で終了します。Notion Mail の AI 機能を Notion を選ぶ理由に挙げている比較は、まもなく存在しなくなる製品を説明していることになります。
まとめ
2026年に問うべきなのは、どちらの AI が賢いかではありません。どちらもフロンティアモデルの上に建っており、Notion に至っては誰のモデルを使うかを自分で選べます。
問うべきなのは、何を買っているのかです。ChatGPT が売っているのは、上限が公開された席です。
Notion が売っているのは、公開されていない利用枠とその先のメーターが付いた席です。その代わりに手に入るのは、すでにワークスペースの中身を把握していて、そこへ書き込める AI です。
どちらを選ぶにせよ、仕事が実際に動いている土台、つまり予定とタスクは、AI が引用してくれるだけの情報で終わらせるには惜しい場所にあります。
よくあるご質問
Notion AI は無料で使えますか?
本格的には使えません。フリープランとプラスプランには体験用の AI 応答が少数含まれるだけで、回数を追加購入することもできません。Notion AI の機能一式が使えるのは Business プランと Enterprise プランで、Business は年払いで1メンバーあたり月額20ドルです。
Notion AI の料金はいくらですか?
最低でも年払いの Business プランで1メンバーあたり月額20ドルです。さらに、含まれる利用枠を超えた分はクレジットで支払います。クレジットは月払いプランで1,000あたり10ドル、年払いプランで1,000あたり13ドルです。利用枠の数値は公開されていないため、エージェントを常用するチームの費用を1つの数字で表すことはできません。なお Notion の公式料金ページに円建ての価格はなく、本記事の金額は米ドル表示のままです。
Notion クレジットとは何ですか?
席の料金とは別に発生する、従量課金の AI 利用分です。購入できるのは Business と Enterprise のみで、月払いプランは1,000クレジットあたり10ドル、年払いプランは13ドル。繰り越しはできません。消費するのはカスタムエージェント、Workers、プレミアムモデルの3つで、Workers は2026年10月15日から1回あたり約0.0023ドル、1,000クレジットでおよそ4,348回に相当します。
Notion AI はどの AI モデルを使っていますか?
1社のモデルに固定されていません。モデル選択画面には OpenAI・Anthropic・Google・xAI・Zhipu・Moonshot のモデルが並び、現時点では Opus 5、GPT-5.6 Sol、Kimi K3 などが選べます。2026年9月10日以降は、どのモデルをエージェントに使わせるかをワークスペースのオーナーと管理者が決める仕組みで、Notion エージェントではプレミアムモデルが既定で無効です。
Notion AI と ChatGPT はどちらを選ぶべきですか?
作業の対象がどこにあるかで決まります。自社のページやデータベースを根拠にした作業であれば Notion AI が優れており、出典つきで回答し、Notion に書き込むこともできます。白紙からの執筆、調査、コードでは ChatGPT が明確に上です。役割が重ならないため、両方を契約するチームが多くなります。
ChatGPT から Notion のページを読み込めますか?
読み取りと検索はできます。ChatGPT の Notion アプリが、接続したアカウントの閲覧できるページを参照します。ただしこのアプリは新規接続での同期に対応しなくなりました。双方向の読み書きが必要な場合は Notion の MCP サーバーを使います。こちらは Claude や Cursor からも利用できます。
Notion AI のコネクターは Gmail やカレンダーを Notion に同期しますか?
同期しません。コネクターは Notion AI がそれらを読み取り、回答の中で出典として示せるようにするものです。編集できる行がデータベースに作られるわけではありません。予定・タスク・連絡先を、絞り込みや編集ができるレコードとして Notion に置きたい場合は双方向同期が必要で、そこを担当しているのが 2sync です。


