Gmail はメールを確実に届けてくれますが、届いたあとの仕事には向いていません。受信トレイは要するに行列だからです。
今日届いたメールが昨日の分を押し下げ、金曜日には契約書も請求書も依頼メールも3画面下に沈んでいます。
同じメールを Notion のデータベースに入れてしまえば、探す対象ではなく、並べ替えたり絞り込んだりできる資料に変わります。
方法は4つあり、得意な場面がそれぞれ違います。放っておいてもデータベースが埋まり続けるものもあれば、こちらがクリックするまで何も起きないものもあります。
クイックアンサー
Gmail のメールを Notion に取り込む手段は、専用の同期ツール、Zapier や Make の自動化、Gmail アドオン、自作の Apps Script の4つです。手を動かさずにデータベースが埋まり続けるのは1つ目だけです。
4つとも Gmail から Notion への一方向 で動きます。Notion 側で何をしても、受信トレイのメールが書き換わったり消えたりすることはありません。
メールを Notion のデータベースに入れると何が変わるのか
受信トレイに並ぶのは新着順のメールですが、データベースに並ぶのはレコードです。
同じ1通が、送信者・受信日・ラベル・件名を持つ1行になります。そこに Gmail 側には存在しない情報、たとえばステータス、対応期限、金額、担当者を足せます。
クライアントとのやり取りは、案件ページから開ける対応履歴になります。領収書のメールは、月別にまとめた経費ビューになります。
すでに受信トレイからアーカイブしているメールも、関連するプロジェクトの隣で検索できるようになります。
一覧が仕組みに変わるのはリレーションを使ったときです。連絡先データベースにリレーションを向ければ、1通ごとに差出人のページへ自動でひも付きます。Notion で人脈管理を組み立てる作業は、その大半がこれで済みます。
Gmail を Notion に取り込む4つの方法
| 方法 | 放置しても動くか | 設定の手間 | 費用 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| 専用の同期ツール | ○ 2〜5分間隔 | 5分・コード不要 | 2sync 月額9ドル〜 | 貯まり続けるアーカイブ |
| Zapier/Make | ○ トリガー単位 | 1件につき10〜20分 | 従量制の無料枠、有料は月額12ドル〜 | 長い処理の一部としてのメール |
| Gmail アドオン | × 都度クリック | 2分 | 無料またはフリーミアム | 週に数通だけ保存する |
| Apps Script + Notion API | ○ 自作のタイマー | 数時間・コードが必要 | 無料 | 独自の解析処理を組みたい |
分かれ目は2列目です。同期ツールときちんと組んだ自動化は、こちらが寝ている間も動き続けます。アドオンはメールを開いているあいだしか働きません。
もう1つの分かれ目は、Notion に何が届くかです。タイトルとリンクだけのページを作る方法もあれば、ビューを組めるプロパティまで入る方法もあります。アーカイブになるか、ただの山になるかの差はここで決まります。
専用ツールどうしでも中身は同じではありません。何をどこまでマッピングするかは、Unito との比較で整理しています。
Notion Mail 終了後もメールを Notion に届けるには
Notion Mail(Notion メール)は 2026年9月22日 に提供を終了します。Notion Mail でメールを Notion に取り込んでいた方は、この節から読み進めてください。
Notion が公式ヘルプで告知したのは2026年6月25日です。日程は3つに分かれます。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年6月25日 | 告知。Notion Mail 固有データの書き出しを開始できる |
| 2026年9月21日 | 残しておきたいデータを保存できる最終日 |
| 2026年9月22日 | 提供終了。保存しなかったデータは削除される |
メール本体は影響を受けません。Notion Mail は Gmail と双方向で同期していたため、送受信したメールはすべて Gmail 側にも残っています。
なくなるのは自動で流れ込む部分です。Notion の説明では、同期済みのメールデータベースとビューはフィルターも含めて Notion に残りますが、2026年9月22日以降は新着メールが入ってこなくなります。
ビューやロールアップ、ダッシュボードを組んでいた方にとっては、器だけが残って中身の補給が止まる状態です。
補給の再開そのものは難しくありません。Notion Mail が扱っていたのは最初から普通の Gmail のメールだからです。
Gmail 同期を新しいデータベースに向ければ、プロパティを自分で決めたうえで同じメールが届きます。書き出しの手順は移行ガイドにまとめました。
Gmail AI コネクタは検索機能であって、同期ではありません。 Notion AI がチャットの中でメールを読んで引用できるようになるだけで、データベースには何も書き込まれません。
条件もここまでで一番重く、Notion のヘルプには3つ挙がっています。
- Notion のワークスペースが Business または Enterprise プランであること
- Google 側が 有料の Google Workspace プランであること
- Google の管理者と Notion のワークスペースオーナーを兼ねる担当者がいること
失ったものが「絞り込みも並べ替えもできる行としてのメール」であれば、そのまま置き換わるのは Gmail 連携です。Notion のプランを問わず、管理者の承認もいりません。
方法1:2sync で Gmail と Notion を連携する
データベースが勝手に埋まっていく状態を作りたいなら、これが一番の近道です。メールボックスとデータベースを一度指定し、どのメールを対象にするかを決めれば、条件に合うメールが以後ずっとページとして届きます。
メールは Google アカウントの他の連携と同じ接続の中で扱われます。カレンダーの予定、タスク、連絡先も同じツールから Notion に流せるため、アプリごとにツールを増やさずに済みます。
設定は5ステップです。
- Gmail を接続する。 Gmail と Notion の連携画面を開き、Connect Gmail をクリックしてサインインし、アクセスを許可します。続けて対象範囲を選びます。受信トレイ、スター付き、重要、送信済み、Gmail の「ソーシャル」「プロモーション」「新着」「フォーラム」カテゴリから指定できます。
- Notion を接続する。 プロパティの型があらかじめ整った Email Archive テンプレートをそのまま使うか、自分で作ったデータベースのリンクを貼ります。自作のデータベースの場合は、先に Notion 側で ••• > コネクトを追加 から 2sync を追加してください。Wiki ページの中にあるデータベースは対象外ですが、これは同期側ではなく Notion API 側の制約です。
- フィールドをマッピングする。 どの Gmail のフィールドをどの Notion プロパティに入れるかを決めます。初期設定のままでも実用に足りますが、+ Add Field を押すと、スレッドのリレーションを含む隠れたフィールドが出てきます。
- フィルターを設定する。 ここだけは時間をかける価値があります。次の節で詳しく扱います。
- 有効にする。 条件に合う新着メールは、1回の同期サイクル以内に現れます。間隔は Solo が5分、Premium が3分、Pro が2分です。初回はプランの対象期間までさかのぼって既存のメールも取り込みます。
料金は月額9ドルから、年払いなら月額7ドルからです。どのプランにも14日間の無料トライアルが付くので、支払う前に実際の受信トレイで動かして確認できます。フィールドごとの挙動は Gmail フィールドリファレンスにまとめてあります。
受信トレイ全体ではなく、必要なメールだけを同期する
受信トレイ全体を同期対象にすると、たいてい1週間ほどでこの運用そのものをやめることになります。
メールマガジン、領収書、2段階認証のコード、カレンダーの招待まで Notion のページになり、探しやすくするはずだったデータベースが、検索しなければならない2つ目の場所になります。
受信トレイがすでにその状態なら、何かをつなぐ前にまとめて整理するほうが早いです。
解決策はフィルターで、一番きれいな形は自分で管理するラベルです。
- Gmail でラベルを作ります。Notion Archive でも、案件名やクライアント名でも構いません。
- 残したいメールに手で付けるか、Gmail のフィルター機能で特定の差出人・ドメイン・件名に自動で付けます。
- 2sync のオートメーションで Filters を開き、Labels が Notion Archive を含む、という条件を追加します。
- さらに絞りたい場合は、From にクライアントのドメインを含む条件や、契約書と請求書だけのデータベースにしたいときは Has Attachments(添付ファイルあり)の条件を足します。
- すべての条件を満たす必要があるか、いずれかの条件でよいかを選んで保存します。
こうすると、受信トレイの側からデータベースを編集していることになります。ラベルを付ける操作は Gmail ではキー1つで、判断が必要なのはそこだけです。あとはすべて自動で進みます。
Has Attachments(添付ファイルあり)はフィルターの条件であって、マッピングできるプロパティではありません。
どのメールを対象にするかの判定に使い、届いた後のファイル名は Attachments(添付ファイル)テキストプロパティで確認します。
整理以外にも絞り込む理由があります。Solo プランの同期対象は最大3,000件です。無条件の受信トレイでは、本当に必要な十数件のスレッドではなく、古い宣伝メールでこの枠を使い切ってしまいます。
フィルターの条件は 2sync のどのオートメーションでも同じ仕組みなので、ここで覚えた手順はカレンダーやタスクの同期にもそのまま使えます。
方法2:Zapier または Make
自動化プラットフォームは2つのアプリのあいだに入り、イベントに反応します。Zapier の場合はトリガーとアクションの組み合わせで、「Gmail でラベルの付いた新着メール」が「Notion のデータベース項目を作成」を呼び出します。
費用は定額ではなく従量制で、無料枠は見た目より窮屈です。
- Zapier の無料プランは月100タスクまで、Gmail の確認間隔は15分です。Professional にすると間隔は2分になり、750タスクで年払い月額19.99ドル、月払いなら月額29.99ドルからです。
- Make の無料プランは月1,000クレジットまでで、実行間隔は最短15分です。Core は10,000クレジットで月額12ドルから、有料プランでは最短1分まで詰められます。
1タスクが1通なので、動きの多いラベルを対象にすると無料枠は数日で尽きます。
2つのプラットフォームの違いは Zapier と Make の比較に、行き先が常に Notion の場合にどちらが向くかは 2sync と Zapier の比較にまとめました。
この方法が向くのは、メールが最終目的地ではない場合です。1通のメールが Notion のページを作り、チャンネルに通知し、スプレッドシートを更新するといった流れなら、自動化プラットフォームが正解で、Notion はその途中の1地点になります。
Notion そのものが目的なら、プラン内で済む処理に対してメール1通ずつ課金していることになります。
見落とされやすいのは維持の手間です。トリガーごとに別のオートメーションになるため、ラベルが3つあれば3本並びます。Notion のプロパティ名を1つ変えるだけで、その全部を手で直すことになります。
方法3:Gmail アドオンで1通ずつ保存する
アドオンは Gmail のサイドバーにボタンを置きます。メールを開いてクリックし、データベースを選べばそのメールが渡ります。見ていないあいだは何も起きません。それが利点でもあり、欠点でもあります。
Google Workspace Marketplace で使えるものを3つ挙げます。
- Save to Notion(Digital Inspiration)は、メールをプレーンテキストとして保存し、データベースに送る前に本文を編集できます。リスト更新日は2025年2月28日、料金はかかりません。
- Gmail to Notion は、添付ファイルを含むメールデータを送ると説明されており、件名・連絡先情報・日時などを既存のデータベースプロパティに割り当てます。リスト更新日は2025年2月13日です。
- Quicktion は、Notion・Google スプレッドシート・Google ドライブ・Airtable・Linear・Trello にワンクリックで保存でき、特定の差出人からのメールを受信時に自動保存する転送ルールも設定できます。3つのうち更新が最も新しく、リスト更新日は2026年8月20日です。
正直に言えば、向いているのは少量のときです。週に4、5通を保存し、送る前に手を入れたいのであれば、何かを設定するよりサイドバーのボタンのほうが速く済みます。それ以上になると、クリックそのものが詰まりどころになります。
方法4:Apps Script と Notion API
コードを書ける方であれば、Google Apps Script を使うと、メールが置かれている Google アカウントの中にスケジューラーを持てます。
時間主導型のトリガーが一定間隔で関数を呼び出します。関数は label:notion-archive is:unread のような普通のクエリで Gmail を検索し、その結果を Notion API のページ作成エンドポイントへ POST します。
利点は制御の細かさです。ページの名前の付け方、本文のどこを残すか、件名をどうプロパティに分解するか、失敗したメールをどう扱うかまで、すべて自分で決められます。
着手前に押さえておく制約が3つあります。
- Notion API の上限は接続ごとに 平均で毎秒3リクエスト で、短時間であればこれを超えるバーストも認められています。数千通のバックフィルは速度を調整しながら流す必要があります。
- リッチテキストのオブジェクトは 2,000文字、ブロックの配列は 100要素 が上限です。長いメールは分割してから送ることになります。
- 重複対策も自分で作ります。送信済みのメールを記録しておかないと、Apps Script は同じメールに対して何度でも実行します。
設定作業というより開発案件だと考えたほうが実態に合います。多くの場合は柔軟さより保守の負担が上回るので、そう感じたら既製の選択肢を Notion 連携のおすすめにまとめてあります。
Gmail から Notion に実際に入るデータ
Gmail の同期では10のフィールドが Notion に入り、それとは別にメール本文がページの中身になります。
| Gmail のフィールド | Notion のプロパティ型 |
|---|---|
| 件名(Subject) | Title |
| 送信者(Sender) | Rich text |
| To・CC・BCC | Rich text |
| ラベル(Labels) | Multi-select |
| 添付ファイル(Attachments) | Rich text |
| メールプレビュー(Email Preview) | Rich text |
| 受信日(Date Received) | Date |
| メールリンク(Email Link) | URL |
本文はプロパティではありません。ページの中身そのものとして同期され、太字・斜体・リンク・箇条書きが保たれます。Notion のページを開くと、要約ではなくメールそのものが読めます。
添付ファイルの動きは誤解されやすい部分です。Attachments(添付ファイル)プロパティに入るのは、そのメールに何が付いていたか、つまり各ファイルの名前とサイズです。同じ一覧がページ本文にも追記されます。
ファイル本体が Gmail から出ることはありません。書類そのものが必要になったときは、Email Link(メールリンク)プロパティから元のメールを開きます。
以上はすべて Notion 側では読み取り専用で、これは意図した設計です。Gmail の同期は一方向なので、うっかりした編集も、行の削除も、データベースの作り直しも、メールには届きません。
変更を両方向に流したい場合は、カレンダーやタスクの連携がその役割を担います。メールについては、どの経路を選んでも取り込み専用です。
用途別の選び方
- 勝手に貯まっていくアーカイブが欲しい(クライアントとの記録、領収書、案件の参考資料):専用の同期ツール。ラベルを一度決めたら、あとは考えなくて済みます。
- 3つ4つのアプリをまたぐ流れの一部にメールがある:Zapier または Make。タスク従量制は割り切って受け入れます。
- 週に数通だけ、手を入れてから保存したい:Gmail のサイドバーアドオン。
- 他の方法では実現できない独自の解析が必要で、保守も自分でできる:Apps Script と Notion API。
組み合わせても構いませんし、そのほうが合理的な場面も多くあります。クライアントのメールは絞り込んだ同期に任せ、どのルールにも当てはまらないメール用にアドオンを入れたままにしている方も少なくありません。
ツールより先に、ラベルを決める
このワークフローの形を決めるのは、どの製品を入れるかではありません。どのメールをレコードにする価値があるか、です。そしてその答えは、ツールを触る前に Gmail でラベルを付けた時点で決まります。
ここが定まっていれば、あとは設定作業にすぎません。見誤ると、検索性だけ落ちた受信トレイを Notion の中にもう1つ作ることになります。
Gmail のラベルを Notion のデータベースに
Gmail を接続し、データベースを選び、ラベルや差出人で絞り込むだけで、条件に合うメールが数分以内に Notion に届きます。カレンダー・タスク・連絡先も同じ接続から同期できます。
FAQ
Notion Mail が終了したあと、メールを Notion に同期する方法はありますか?
あります。Notion Mail は2026年9月22日に提供を終了し、2026年9月21日が保存できる最終日です。同期済みのデータベースは残りますが、新着メールは入ってきません。Gmail 連携なら同じメールに届き、プロパティもフィルターも設定し直せます。
Zapier を使わずに Gmail と Notion を連携できますか?
できます。2sync のような専用の同期ツールは両者を直接つなぎ、条件に合うメールを定期的に取り込みます。Gmail のサイドバーアドオンや自作の Apps Script も、Zapier を通らない選択肢です。
Gmail と Notion の同期は双方向ですか、一方向ですか?
一方向です。メールは Gmail から Notion へ流れ、Notion 側の操作が受信トレイに届くことはありません。行を消してもデータベースを作り直しても、受信トレイのメールは影響を受けません。双方向で動くのはカレンダー・タスク・連絡先の連携です。
特定のメールだけを Gmail から Notion に同期するにはどうすればよいですか?
「Notion Archive」のような専用ラベルを手動または Gmail のフィルターで付け、同期側で Labels がそのラベルを含む条件を設定します。From のドメイン指定や Has Attachments(添付ファイルあり)も足せます。
Gmail のどのフィールドが Notion に保存されますか?
マッピングできるのは、件名、送信者、To、CC、BCC、ラベル、添付ファイル、メールプレビュー、受信日、元メールへのリンクの10フィールドです。本文は書式を保ったままページの中身として同期されます。詳細は Gmail フィールドリファレンスをご覧ください。
Gmail の添付ファイルは Notion に同期されますか?
同期されるのは一覧です。各ファイルの名前とサイズが Attachments(添付ファイル)プロパティに入り、同じ内容がページ本文にも追記されます。ファイル本体は元のメールに残るため、Email Link(メールリンク)から開いてください。
Notion に標準の Gmail 連携はありますか?
あるのは AI コネクタだけで、Notion AI がチャットの中でメールを検索・引用する機能です。データベースのページは作られません。Notion の Business または Enterprise プラン、有料の Google Workspace プラン、両方の管理権限を持つ担当者が必要です。
Gmail の同期はどこまでさかのぼりますか?
プランごとの対象期間までです。Solo は6か月、Premium は1年、Pro は2年で、初回の同期でその期間内のフィルター条件に合うメールを取り込みます。以降は新着メールがプランに応じて2〜5分間隔で同期されます。


